北朝鮮「新年の辞」を読む(下)「白い米」のために必要な外交課題

執筆者:平井久志 2013年1月17日
エリア: アジア
 大統領選に勝利した翌日の昨年12月20日、父親の朴正熙元韓国大統領が眠るソウルの国立墓地を訪れた朴槿恵氏 (C)AFP=時事
大統領選に勝利した翌日の昨年12月20日、父親の朴正熙元韓国大統領が眠るソウルの国立墓地を訪れた朴槿恵氏 (C)AFP=時事

「新年の辞」が経済強国建設とともに強調したのが韓国の朴槿恵(パク・クネ)次期政権への関係改善の呼び掛けだ。

「新年の辞」は「今年、全民族が団結し、民族あげての統一愛国闘争によって祖国統一の新たな局面を開かなければなりません」と強調し、「国の分裂に終止符を打ち、統一を実現するうえで提起される重要な問題は、北と南の対決状態を解消することです」と南北の対決解消を訴えた。さらに、2000年に金正日(キム・ジョンイル)総書記と金大中(キム・デジュン)大統領が署名した「6.15南北共同宣言」と、07年に金正日総書記と盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が署名した「10.4宣言」の履行を求めた。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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