アルジェリア事件「武装勢力」を追い詰めた「利権構造の破壊」

白戸圭一
執筆者:白戸圭一 2013年1月18日
エリア: アフリカ 中東

 アルジェリア東部の天然ガス関連施設で日本人を含む多数の外国人が人質となった事件は、本稿執筆時点(日本時間1月18日未明)でアルジェリア軍による救出作戦が終了したとの情報があるが、人質の安否については明確な情報がない。

 事態は刻々と動いており、不確定要素があまりにも多いが、本稿ではアルジェリア南部を中心とするサヘル地域(サハラ砂漠南縁部の半乾燥地帯)で、イスラム過激主義を掲げる武装集団が勢力を拡大し、今回の事件を起こした理由を考えてみたい。

 キーワードは「身代金」と「コカイン取引」だ。

 

首謀者「ベルモフタール」

 武装集団のリーダー、ベルモフタールと見られる人物 (C)AFP=時事
武装集団のリーダー、ベルモフタールと見られる人物 (C)AFP=時事

 各種報道によれば、犯行声明を出した武装集団のリーダーはモクタール・ベルモフタール(Mokhtar Belmokhtar)だという。報道が正しいとすれば、これはアルジェリアで誕生し、現在はマリ北部の実効支配に深く関与しているアルカイダ系テロ組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQIM)」の元ナンバー2だった男だと思われる。AQIM誕生の経緯、マリ北部への関与については筆者が以前、フォーサイトに書いた次の記事などをご参照いただきたい(2012年10月30日付「大統領選後のアメリカ外交の隠れた焦点~西アフリカへの軍事的関与」、2012年3月23日付「マリのクーデターの衝撃」)。

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執筆者プロフィール
白戸圭一
白戸圭一 三井物産戦略研究所国際情報部 中東・アフリカ室主席研究員。京都大学大学院客員准教授。1970年埼玉県生れ。95年立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。同年毎日新聞社入社。鹿児島支局、福岡総局、外信部を経て、2004年から08年までヨハネスブルク特派員。ワシントン特派員を最後に2014年3月末で退社。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞)、共著に『新生南アフリカと日本』『南アフリカと民主化』(ともに勁草書房)など。
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