「予想外の新社長」は「アナクロ・三菱重工」を救えるか

執筆者:杜耕次 2013年2月12日

「日の丸製造業」の看板を背負ってきた三菱重工業の先行きに不安の影が増幅している。昨年11月29日に行なわれた日立製作所との火力発電事業統合の記者会見は「日本最強の組み合わせ」(日立の中西宏明社長)などと自画自賛の声であふれたが、年が明けて1月24日に明らかになった世界最大手米ゼネラル・エレクトリック(GE)と東芝の火力発電合弁会社設立の報で“日本最強”陣営は瞬く間に冷や水を浴びせられた。同じく年明けに相次いだ米ボーイングの新型旅客機「787」のトラブルは、主翼の製造を請け負っている三菱重工の収益計画を狂わせ、開発が佳境に入っている小型旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の事業に支障が出る可能性も浮上している。長年国内の業界秩序に安住し、いまだに連結売上高3兆円前後でうろついている三菱重工。歴代経営者の戦略不在のツケが回ってきた感が拭えない。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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