政治をゼロから考える
政治をゼロから考える(17)

日本において「保守とリベラル」「右と左」は何を意味するか(前編)

宇野重規
執筆者:宇野重規 2013年3月25日
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

質問 「保守とリベラル」と「右と左」はどう違うのですか

 

 政治的な立場を分類する際によく、「保守とリベラル」という言葉が使われます。とはいえ、それでは「保守」とは何か、「リベラル」とは何かというと、わかっているような気もしますが、はっきり定義しろといわれるとちょっと(かなり)困ります。

 ちなみに政治的分類としては「右と左」もあります。この二分法は、場合によっては「保守とリベラル」と同じような意味合いで使われることもあるのですが、まったく重なるかといえば疑問です。

 何だかよくわからないのに、「あいつは左がかっている」とか「リベラルな政党はどこに行ってしまったのか」といった言葉を、私たちはよく耳にします。話は通じている気がするけど、実は相互にまったく違うものをイメージしていることもありそうです。

 

アメリカとヨーロッパで異なる政党の分類

 ここでちょっと頭を整理してみたいと思います。

 まず指摘しておく必要があるのは、「保守とリベラル」といういい方が、かなりアメリカ的であるということです。アメリカ政治をかたるときに、共和党は保守で、民主党はリベラルといいますが、フランス政治の場合、民衆運動連合(UMP)を保守ということはできますが、社会党を普通リベラルとは呼びません。

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執筆者プロフィール
宇野重規
宇野重規 1967年生れ。1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。東京大学社会科学研究所教授。専攻は政治思想史、政治哲学。著書に『政治哲学へ―現代フランスとの対話』(東京大学出版会、渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトン特別賞)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社、サントリー学芸賞)、『〈私〉時代のデモクラシー』(岩波新書)、共編著に『希望学[1]』『希望学[4]』(ともに東京大学出版会)などがある。
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