成長戦略と「アベノミクス特区」――大胆な規制改革の実験場

原英史
執筆者:原英史 2013年4月30日
エリア: 日本

 経済面での上向きな期待感に支えられて、安倍政権は相変わらず快調だ。アベノミクスの第1の矢(金融緩和)、第2の矢(財政政策)は、これまでのところ成功。今後は、第3の矢(成長戦略)で、中期的な成長軌道に乗せていくことができるかどうかが焦点になる。

 そこで肝心なのは、安倍首相自身が「安倍内閣の1丁目1番地」と唱えている規制改革だ(1月24日規制改革会議にて)。

 成長戦略というと、これまで毎度のように、「健康・医療」「環境・エネルギー」「農業」などが、今後の成長分野として掲げられてきた。これらの分野は、いずれも、「官製市場」とも呼ばれるように、官による規制でがんじがらめに縛られている領域。無用な制約を取り払い、民間が自由度をもって事業活動できるようにすることこそ、最大の成長戦略だ。

 だが、こうした規制は、裏側には規制によって守られる既得権益が伴い、政官業のトライアングルで頑強に維持されている場合が多い。このため、規制改革は、難度の低い形式的なものを除いては、なかなか簡単には進まない。

 これを突破する有効な手法が、「特区」だ。

 特区制度というと、もともとは中国で設けられた一国二制度の区域が有名だが、我が国では2002年に小泉内閣のもとで「構造改革特区制度」が設けられた。特区内限定で規制改革を実験的に行なう仕組みを設け、地域のイニシアティブにより、困難な規制改革の突破口を開こうとしたものだ。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
原英史
原英史 1966年東京都生れ。東京大学法学部卒、米シカゴ大学院修了。89年通商産業省(現・経済産業省)入省。大臣官房企画官、中小企業庁制度審議室長などを経て、2007年から安倍・福田内閣で行政改革・規制改革担当大臣の補佐官を務める。09年7月退職。株式会社政策工房を設立し、政策コンサルティング業を営む。大阪府・市特別顧問、国家戦略特区ワーキンググループ委員(内閣府)、社会保障審議会年金事業管理部会委員(厚生労働省)を務めるほか、NPO法人万年野党理事、「地方議会を変える国民会議」発起人など。著書に『官僚のレトリック』(2010年、新潮社)、『「規制」を変えれば電気も足りる』(2011年、小学館101新書)、『日本人を縛りつける役人の掟/岩盤規制を打ち破れ』(2014年、小学館)、『国家と官僚』(2015年、祥伝社新書)。
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
価値あるバックナンバー
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順