「国後・択捉にレアメタル」で領土返還はさらに遠のく?

2005年3月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: ロシア 日本

 レアメタル(希少金属)資源の宝庫である北方領土の国後、択捉両島について、ロシアが本格的な探査・開発に乗り出す見通しとなった。 ロシア天然資源省が最近作成した極東の資源開発に関する報告では、北方領土四島の周辺にはいくつかの石油・ガス田があり、埋蔵量は石油換算で推定三億六千四百万トン。さらに国後、択捉には、金、銀、硫黄、チタン、鉄、宝石類の鉱脈が眠っているという。 同報告によれば、択捉島北部のクドリャブイ火山周辺からは、石油化学や宇宙開発に用いられる戦略物資、レニウムの産出が可能で、年間十五―二十トンの生産が期待できる。二十一世紀のレアメタルと呼ばれるレニウムは、全世界の年間生産量が三十トン程度。「択捉産レニウム」が登場すれば、それだけで全生産量の半分近くを占めることになる。 千島列島は日本統治時代から資源開発が行なわれていない世界の秘境。面積で最大の島である択捉は木材も豊富で、「宝島」(ロシア政府筋)なのだ。 トルトネフ天然資源相は二月初め、プーチン大統領と会談し、国後、択捉が資源の宝庫で、本格開発に着手したいと報告し、了承を得た。日本にとっては、領土返還がまた遠のくことになりそうだ。

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