「五輪決定」を「東京集中投資」の免罪符にするアベノミクス「最終戦略」

磯山友幸
執筆者:磯山友幸 2013年9月13日
エリア: 日本
 スピーチの内容には批判も集中したが…… (C)AFP=時事
スピーチの内容には批判も集中したが…… (C)AFP=時事

 2020年のオリンピック開催地が東京に決まった。アルゼンチンで行なわれた国際オリンピック委員会(IOC)総会で最後のスピーチに臨んだ安倍晋三首相は、身振り手振りからまばたきの間隔まで指導を受け、「勝負」をかけていたという。アベノミクスの行方が注目される中で、オリンピック誘致に成功したことは、安倍首相にとって大きい。東京でのオリンピック開催を“免罪符”に、東京への集中投資が可能になったからだ。オリンピック効果が「成長戦略」を大きく後押しすることは間違いなさそうだ。

 

水面下の路線対立

 自民党内には深刻な路線対立がある。積極的な財政出動によって公共事業を積み増し、経済を復活させるべきだという主張と、構造改革によってこそ日本経済は復活するという主張が、水面下でぶつかり合っている。アベノミクスの3本の矢のうち2本目の「機動的な財政出動」に前者を主張する議員は期待し、3本目の「民間投資を喚起する成長戦略」に後者は望みをかける。前者は公共事業配分型のいわゆる「古い自民党」であり、後者は「小泉・竹中路線」を彷彿とさせる構造改革中心で、両者はまったく相容れない。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
磯山友幸
磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト。著書に『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)などがある。
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
最新コメント
最新トピック
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順