今も続く「亀井モラトリアム」の余波――金融庁「新検査方針」の本当の狙い

磯山友幸
執筆者:磯山友幸 2013年10月1日
エリア: 日本
 当時、金融相だった亀井氏が主導した (C)時事
当時、金融相だった亀井氏が主導した (C)時事

 東京商工リサーチが発表した8月の全国企業倒産件数(負債額1000万円以上)は、819件と21年11カ月ぶりの低水準になった。月間の倒産件数が850件を下回ったのは1991年9月が最後だ というから、バブル景気の最後の余韻が残っていた時期以来ということになる。

 では、それほどに、今は好景気なのかと言えば、もちろんそうではない。安倍晋三首相が推進するアベノミクスの効果で、株価が上昇し不動産価格が底を打ったとはいえ、バブルに浮かれていた約22年 前とは比べようもない。まだまだデフレからは脱却できていないのである。

 にもかかわらず倒産が減り、バブル期並みの最低水準になっているのはなぜか。民主党政権で金融担当相に就いた亀井静香・国民新党代表(当時)が導入した中小企業金融円滑化法、いわゆる「亀井モラトリアム法」の余波が今も続いている、と見るべきだろう。

 

続出した“ゾンビ企業”

 2009年12月に施行された亀井モラトリアム法は、当初はリーマン・ショック後の企業の資金繰り難を救済する緊急措置ということで、11年3月末までの時限措置として始まった。ところが東日本大震災もあり、2度にわたって期限が延長され、結局、今年の3月末まで続いていた。

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執筆者プロフィール
磯山友幸
磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト。著書に『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)などがある。
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