「情報」は「政策」に迎合する――日本版NSCと「賢い」政府

柳澤協二
執筆者:柳澤協二 2013年11月5日
カテゴリ: 外交・安全保障

 先日、衆議院の国家安全保障に関する特別委員会で、日本版NSC(国家安全保障会議)を創設する安全保障会議設置法改正に関する参考人意見聴取に臨んだ。私は、この法案に必ずしも賛成ではないが、いずれ多数で成立することが必至である以上、出来上がったNSCが機能するための要点に絞った意見を述べることにした。

 この法案の目的は、総理・官房・防衛・外務の4閣僚による会議とそれを支える事務局を創設して国家安全保障の司令塔とし、そこに情報を集約するため、各省に資料(情報)提供を義務付けることにある。そこには、以下のような宿命的な課題がある。

(1)情報伝達の判断は、一義的には、情報を保有する側にある。情報機関は、その相手が情報を真に必要とし、情報ソースを秘匿することの重要性と、情報内容の限界を理解できる場合に限って情報を伝達することができる。それを法律によって義務付けるとすれば、提供した相手による漏えいの危険がないことが担保されなければならない。

 こうして、NSCの創設に伴い、秘密保護の制度化が浮上してくる。日本版NSC法案と特定秘密保護法案は、あくまでセットでなければならない必然性がある。だが、それは、情報の誤用を防ぐものではない。

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執筆者プロフィール
柳澤協二
柳澤協二 国際地政学研究所副理事長。1946年東京都生れ。70年東京大学法学部卒業後、防衛庁入庁。長官官房長、防衛研究所所長などを歴任。2004年4月から09年9月まで官房副長官補。
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