私はこのたび、「特定秘密保護法案に反対する学者の会」の賛同人に加わりました。フォーサイト編集部から機会をあたえていただきましたので、ここでなぜ私がこの法案に反対するのか、少しお話しさせていただければと思います。
私は政治学者です。1人の市民として、現代日本社会の諸問題について意見をもっていますが、今回はとくに政治学者として、この法案には大きな問題があると考え、あえて行動することにしました。
政治学者としてこだわるのはまず、「政治における真実はどのようにして明らかにされるべきか」ということです。なるほど、政治において、「秘密」がつねにつきまとうのは確かです。とくに国家の安全保障に関して、少なくとも同時代的には公開できない事実があることは、私も認めます。重要な機密が諸外国に筒抜けになれば、交渉などにおいて重大な不利をもたらすでしょう。
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