法人税率下げ「国際公約」で「安倍首相vs.財務省」のバトル白熱

磯山友幸
執筆者:磯山友幸 2014年2月3日
エリア: 日本

「法人にかかる税金の体系も、国際相場に照らして競争的なものにしなければなりません」

 1月22日、スイス東部の保養地ダボスで開かれた世界経済フォーラム年次会議。その冒頭演説に日本の首相として初めて招かれた安倍晋三首相は、自ら推進するアベノミクスの成果を強調する中で、法人税改革への意気込みを語った。すでに決まっている、復興特別法人税の1年前倒し廃止で、実効税率を38.01%から35.64%へと2.4ポイント引き下げることなどに触れた上で、「本年、さらなる法人税改革に着手いたします」と明言したのである。

 メディアはこぞって「法人税下げ国際公約」「法人税率引き下げを宣言」と報じていた。1月31日の衆議院予算委員会では、民主党の古川元久議員が、ダボスでの発言は国際公約と考えて良いかと聞いたが、これに対しても安倍首相は「当然、あそこで述べたことは官邸内・政府内で議論を尽くしたこと」だとし、国際公約との見方を肯定した。

 

麻生財務相の慎重論

 1月24日、参院本会議に出席した安倍首相と麻生財務相 (C)時事
1月24日、参院本会議に出席した安倍首相と麻生財務相 (C)時事

「首相は本気で戦う覚悟だ」

 首相に近い幹部官僚はそう言う。戦う相手はもちろん、財務省である。財務省が税収減に直結する法人税率の引き下げに強く抵抗しているのは周知の事実だ。

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執筆者プロフィール
磯山友幸
磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト。著書に『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)などがある。
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