急浮上したウクライナ「チョコ王」ポロシェンコ氏への期待と現実

国末憲人
執筆者:国末憲人 2014年4月8日
エリア: ヨーロッパ ロシア
 現時点ではポロシェンコ氏優勢だが、まだまだ予断を許さない (C)AFP=時事
現時点ではポロシェンコ氏優勢だが、まだまだ予断を許さない (C)AFP=時事

 ウクライナの知人が決まって土産にくれるチョコがある。「旧ソ連や旧東欧では知らない人のないブランドですよ」と、いつも自慢げだ。ベルギーやフランスの手づくりチョコの味を知った身にはさほど驚くほどでもないが、それでも重厚で素朴なその味わいには、人気の理由もわかる気がする。

 そのチョコの製造元、製菓大手「ロシェン」を経営して「チョコレート王」の異名を持つ人物が、いまウクライナで注目の的だ。5月25日に予定されている大統領選で最有力候補の座に急浮上したペトロ・ポロシェンコ氏(48)である。

 キエフの市場調査会社が社会学者グループと共同で実施して3月26日に発表した世論調査によると、ポロシェンコ氏は24.9%の支持を得て、他を大きく引き離した。2位はボクシング元ヘビー級世界王者で2月の政変の立役者の1人、ビタリ・クリチコ氏の8.9%で、元首相のユリア・ティモシェンコ氏が8.2%で続いた。クリチコ氏は3日後 、大統領選でポロシェンコ氏を支持し、自らはキエフ市長を目指すと表明した。

 キエフ中心部で続くデモには早速、両者の連携に期待して「ウィリー・ウォンカとロッキーはドリームチーム」と英語で書かれたプラカードが登場した。ウィリー・ウォンカとは、英作家ロアルド・ダールの小説『チョコレート工場の秘密』に登場する工場主の名前。ロッキーは、言うまでもなくボクサーだ。

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執筆者プロフィール
国末憲人
国末憲人 1963年生れ。85年大阪大学卒。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。富山、徳島、大阪、広島勤務を経て2001-04年パリ支局員。外報部次長の後、07-10年パリ支局長を務め、GLOBE副編集長、本紙論説委員のあと、現在はGLOBE編集長。著書に『自爆テロリストの正体』(新潮新書)、『サルコジ―マーケティングで政治を変えた大統領―』(新潮選書)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』(いずれも草思社)、『ポピュリズム化する世界』(ダイヤモンド社)、共著書に『テロリストの軌跡―モハメド・アタを追う―』(草思社)などがある。
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