「フライング・タイガース」で米国に「反日戦線」を呼びかける中国

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2014年5月21日
エリア: 中国・台湾

「今回の訪米では、私は特別にフライング・タイガース(飛虎隊)のベテランパイロット、ジェームズ・ブラン(音訳)が中国の雲南省で不幸な事故に遭ったときの関係資料を、デンプシー議長にお渡しするために持参した」

 最近、米国を訪問した人民解放軍総参謀長の房峰輝が、15日、米軍のマーチン・デンプシー統合参謀本部議長と会談したあと、記者たちに対してこんな「エピソード」を披露した。南シナ海での中国・ベトナムの対立に関心が集まるなか、日本のメディアで報じられないことは致し方なかったが、忘れてしまうにはもったいない話だった。

 房峰輝は、こうも付け加えた。

「ある一部の国では軍国主義の復活を目指す動きが出ているが、米国と中国は共同で第2次大戦の勝利を守り続けていきたい」

 房峰輝が訪米でフライング・タイガースにフォーカスを当てた動機は、いうまでもなく世界に歴史認識をめぐる「反ファシズムの対日包囲網」を敷き、米国をその仲間に引き込むためだ。

 フライング・タイガースは、1941年から42年まで、ビルマ・タイなどの中国国境から中国国内に送られた米国からの物資支援「援蒋ルート」を守るために活躍した米国人パイロットによる飛行部隊のことだ。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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