被災地は「最後は金目」発言をどう受け止めたか

寺島英弥
執筆者:寺島英弥 2014年7月1日
エリア: 日本

「金目発言が出たのは(石原伸晃環境相が)心に思っていたから。大臣は仮設に足を運んで、避難生活が4年目になるわれわれの声を聞くべきだ」(69歳男性、大熊町)、「大臣が1回でもいいから説明会に出席していれば、あんな発言はしなかったのではないか。謝罪は当然で、本当は辞めてもらいたい」(70歳男性、双葉町)。

 石原環境相は6月23日、福島第1原発事故の除染廃棄物などを保管する中間貯蔵施設の建設候補地、福島県大熊町、双葉町の町長と佐藤雄平県知事に相次いで会い、難航する交渉について「最後は金目でしょ」と語った自身の発言を、「深くおわびします」と謝罪した。冒頭で紹介したのは、翌24日の河北新報に載った避難中の住民たちのコメントだ。

 発言は両町を対象にした国の住民説明会の後にあった。「最終的には用地買収価格や交付金など金銭で解決するとの見方を示した。官邸で記者団の取材に答えた。石原氏は直後に環境省内で緊急会見し『住民説明会で金銭の話がたくさん出たが、具体的内容は受け入れが決まるまで説明できないという意味だった』と釈明した」(同17日の河北新報記事より)。

 

頭は下げたが……

 福島第1原発周辺の人々にとって、「金目」発言は深い怒りの感情を呼び起こすものだった。「ふくしま原発25年」という1996年の河北新報連載がある。以下はその一節だ。

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執筆者プロフィール
寺島英弥
寺島英弥 河北新報編集委員。1957年福島県生れ。早稲田大学法学部卒。東北の人と暮らし、文化、歴史などをテーマに連載や地域キャンペーン企画に長く携わる。「こころの伏流水 北の祈り」(新聞協会賞)、「オリザの環」(同)、「時よ語れ 東北の20世紀」など。フルブライト奨学生として2002-03年、米デューク大に留学。主著に『シビック・ジャーナリズムの挑戦 コミュニティとつながる米国の地方紙』(日本評論社)、『海よ里よ、いつの日に還る』(明石書店)。3.11以降、被災地における「人間」の記録を綴ったブログ「余震の中で新聞を作る」を更新中。
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