周永康は「500日かけて煮込まれた」

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2014年8月5日
エリア: 中国・台湾

「500日かけて方便麺(インスタントラーメン)を煮込んだ」

 周永康・元中国共産党政治局常務委員に「重大な規律違反があった」として立件されたことが新華社の速報で報じられたあと、中国のウエブ上で流れたこのジョークはかなり意味深なものだった。

 周永康の立件が中国の中でも確実視され、報道が大幅に制限されるようになったのが2013年3月に開かれた「両会」つまり全国人民代表大会と全国政治協商会議の前後。それから1年半にわたり、中国のメディアや個人のブログ、「微博」(ウェイボー、中国版ツイッター)、「微信」(ウイチャット)などのSNSを含め、「周永康」の3文字を発信することは基本的にタブーとされた。

 せいぜい有力者の葬儀に参列した人々の名簿のなかに何度か周永康の名前が出てくるぐらいで、事実上、胡錦濤政権で序列第9位、最高指導部「チャイナ・ナイン」の1人として君臨した人物が中国から「消えて」いたのである。周永康について、習近平指導部が何をしているのか、おおよそ政治にかかわる人々のなかで知らない人はいなかった。しかし誰も語れない。こういうことをまさに「暗黙の了解」というのかとある意味、感心させられた。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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