「プーチン訪日」なお実現の可能性も:11月12日から3日間?

名越健郎
執筆者:名越健郎 2014年8月29日
エリア: ロシア 北米

 11月のプーチン・ロシア大統領の訪日は「絶望的」(朝日新聞)「実現性が低い」(産経新聞)との見方が支配的だが、まだ可能性は残っている模様だ。

 外交筋によれば、プーチン大統領の日程は11月12日から14日まで空白で、ロシア側はこの間の2泊3日の日本公式訪問を想定している可能性がある。

 11月10、11の両日、北京でアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合、15、16の両日はオーストラリアのブリスベンで20カ国・地域(G20)首脳会議が開催される。両会議に出席するプーチン大統領はこの合間の訪日を検討しているかもしれない。

 ラブロフ外相は今月25日の会見で、日本側がプーチン大統領の招待を撤回しない限り、今秋の訪日計画に変更はないとの見解を示し、「ウクライナ情勢は大統領の日本訪問と関係はない」と付け加えた。この発言は、訪日できなかった場合、日本側に責任を押し付ける狙いがあるが、本音で訪日実現を望んでいるともとれる。

 ウクライナ問題で孤立する同大統領が訪日すれば、先進7カ国(G7)を分断させ、国際的孤立から徐々に脱却する効果が期待できる。

 その場合、厳しい環境下で招待してくれた安倍晋三首相の顔を立てるためにも、手ぶらで来ることはできず、北方領土問題で一定の譲歩が必要となろう。同大統領は5月、通信社幹部らとの会見で、「(領土交渉では)4島すべてが対象になる」と述べており、この発言を追認することも考えられる。2島返還による決着を提案してきた大統領が4島の帰属協議を容認すれば、前進となる。

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執筆者プロフィール
名越健郎
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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