オバマのシリア介入演説は米国と世界をどこに導くのか

 オバマ大統領は米東部時間で9月10日の夜9時(日本時間では11日朝10時)に、ホワイトハウスから国民に向けて演説を行い、シリアへの空爆を許可する模様だ。

 米国の報道はこの話題で持ちきりである。「戦争になる」というと色めき立つのはメディアの変わらぬ悪弊か。政策通・シンクタンク研究者なども、ここで目立とうとするのか、威勢のいい提言や、批判や擁護、揶揄や嘲笑、その他もろもろの趣向を凝らした記事・論説が、米国の新聞・雑誌とインターネット上に溢れる。とても全部は目を通していられないし、現地の現実にも、米国の政策にもさほど影響は与えないだろう。しかしこういう喧噪の中に1つでも有益な情報がないかと、なるべく見ておくようにしてはいる。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
池内恵(いけうちさとし) 東京大学先端科学技術研究センター グローバルセキュリティ・宗教分野教授。1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より東京大学先端科学技術研究センター准教授、2018年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』(同)などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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