饗宴外交の舞台裏
饗宴外交の舞台裏(198)

オランダ新国王も引き継いだ「日蘭」恩讐を越える道

西川恵

 オランダのウィレム・アレキサンダー国王とマキシマ王妃が10月28日から31日まで国賓として初来日した。昨年4月に即位した国王は皇太子時代、10回を超える訪日歴がある知日派で、欧州以外では国王となって初の外遊となる。これに応え、日本側は異例の厚遇で迎えた。

 滞在中、国王と王妃のために3つの饗宴がもたれた。まず29日の宮中晩餐会、次が翌30日の御所での天皇、皇后両陛下による私的な昼食会。最後が迎賓館での安倍晋三首相主催晩餐会だ。両陛下が公式な晩餐会と私的な食事会を2回持つのは異例で、オランダ王室との関係抜きにはあり得ない。

 

11年ぶりの雅子妃の出席

 宮中晩餐会の日、東京タワーは午後5時前の日没から午前零時までの7時間、オランダ国旗の青白赤のトリコロールと、王室カラーのオレンジで特別ライトアップされた。

 「オランダ大使館からお話があり、東京タワーとオランダ大使館がお隣さん(同じ東京・港区芝公園)なので、ではやりましょうとなりました。前例? この4月にオバマ米大統領が来日した時に続き2回目です」

 と、日本電波塔(東京タワー)総合メディア部は語る。

 皇居・宮殿の豊明殿で開かれた歓迎晩餐会には両陛下のほか、皇太子ご夫妻をはじめとする皇族、安倍晋三首相ら163人が出席した。長期療養中の皇太子妃雅子さまが宮中晩餐会に出席したのは、メキシコ大統領を迎えた2003年10月以来11年ぶりだった。

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執筆者プロフィール
西川恵
西川恵 毎日新聞客員編集委員。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、論説委員を経て、今年3月まで専門編集委員。著書に『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、本誌連載から生れた『ワインと外交』(新潮新書)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。本誌連載に加筆した最新刊『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)が発売中。
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