台湾の統一地方選が11月29日投開票され、与党の国民党が歴史的とも言える大敗を喫し、馬英九政権は極めて大きなダメージを受けた。12月3日に馬総統は敗戦の責を負って党主席を退いている。その概要についてはすでに分析記事を書いたが(「台湾『国民党歴史的惨敗』の衝撃:『筆頭戦犯は馬総統』」2014年12月1日)、ここでは今回の選挙で「日本」が隠れた争点となった現象について考えてみたい。
台北市長「当選の理由」
台北市長に当選した無所属候補の柯文哲氏は「異変」の立役者となった人物だ。その柯文哲氏が当選後、メディアに「当選の理由」を問われたとき、「日本皇民論は確かに(国民党の敗北にとって)大きかった。あれで本土の藍(国民党陣営)の票がそっくり逃げてしまった」と語っていたことに驚いた。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン