「海自」ではなく「海保」の強化が急務:中国船舶の不法活動

2014年12月16日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中国・台湾

 平成27年度防衛予算概算要求は過去最大、3年連続の要求増であった。防衛力整備は、国際貢献、民生協力を含めた役割の多様化に対応するものでもあるが、自衛隊だけが我が国の安全保障を担っているわけではない。物理的な「抑止力」は、「ミリタリー(軍事力)」と「コンスタビュラリー(非軍事力)」を合わせたものであって、「自衛隊」と「警察および海上保安庁」がそれぞれを代表する。我が国の防衛力は、手出しした相手が大火傷を負うことになる「拒否的抑止力」であり、有事はミリタリー、平時はコンスタビュラリーが主としてそれぞれの力を行使する。

 その意味では、コンスタビュラリーが実効性のある活動を行えばミリタリーが潜在力になる。従って、平時に危機管理、安全保障の最前線を与かる海上保安庁には、ミリタリーを引きずり出さない「拒否的抑止力」の一端を担う精強さが求められる。

 

 ところが、尖閣列島や小笠原海域における中国船舶の不法活動に対応する我が海上保安庁の量的劣勢を見て、「イタチごっこ」、「モグラたたき」の現実に国民は切歯扼腕しているのである。「自衛隊を出動させよ」という世論もある。しかし「ミリタリーの出動と実力行使」は「軍事衝突」を誘発するから、努めて忍耐強く自制し潜在していることが望ましい。よって、不足を補う海上保安庁の要員と装備を「海洋国家」に相応しく、侮られないレベルに増強、充足することが急務となる。

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