台湾「総統選」国民党候補は「王金平」か

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2015年3月12日
カテゴリ: 国際 政治
エリア: 中国・台湾

 台湾政治では、国民党と民進党という2大政党のウォッチの仕方はそれぞれ違っている。両党の性格に深く根ざした党文化と言うべき意思決定の特徴があり、その点を理解していないと流れを読み誤ってしまう。

 民進党は、日本の民主党型で、言いたいことを言い合っている間に、次第に結論へ収斂されていく傾向にある。収斂されないときは喧嘩になる。議論の最中はけっこう難しい顔をしているが、決着がつくとすっきりした顔になっていて、「議論は民進党の文化だ」と言って笑っている。

 国民党は自民党的で、内部の議論はあまり表に出ることはない。いわば談合型だ。お互いの利害を調整し、内々でまとまったときに初めて全貌が見えてくる。しかし、だからといって対立がないわけではなく、シグナルを微妙に出しているのでそれを見逃してはならない。どちらかというと、国民党の方がウォッチは難しいし、職人的な作業と読みが求められる。

 

すでに密約が!?

 そうしたシグナルを総合すれば、この1カ月で見えてきたことはどれも「王金平総統候補」への道筋が敷かれつつあると理解できる。

 王金平は現立法院長(国会議長)で1941年生まれ。台湾南部に地盤を置く国民党本土派(非外省人系)のベテラン政治家で、12期にわたって立法委員を務め、1999年からは立法院長を務め続ける。いわば「国会のボス」だ。李登輝元総統に近く、馬英九総統とはあまり関係が良くないとされてきた。

執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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