インドネシア・ジョコウィ大統領の「訪日・訪中」を点検する

川村晃一

 インドネシアのジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は、3月22日から28日にかけて日本と中国を公式訪問した。昨年10月に大統領に就任したジョコウィは、国際会議に出席するために外遊することはあっても、特定の国の首脳と交渉するための外遊には消極的だった。国際会議以外での外遊は、今年2月のフィリピン、ブルネイ、マレーシア歴訪が唯一のものである。そのため、今回の訪日と訪中は、東南アジア域外の国としては初の外遊であった。

 

日中歴訪の目的

 域外国として初の外遊先が日本と中国であることは、インドネシアが東アジアの2つの大国である日本と中国を重視していることの表れである。日本は、インドネシアにとって最大の援助供与国であるとともに、第2位の貿易相手国、第1位の投資国である。一方、中国は、2013年に日本を抜いて最大の貿易相手国となっている。日中両国にとっても、東南アジアの大国であるインドネシアは、経済、政治・安全保障の両面で自国の優位性を維持するために欠かせないパートナーである。ジョコウィ大統領にとっては、インドネシアの戦略的有用性を活かしていかに多くの協力を日中両国から引き出すかが、今回の歴訪の目的であった。

執筆者プロフィール
川村晃一
川村晃一 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 地域研究センター副主任研究員。1970年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、ジョージ・ワシントン大学大学院国際関係学研究科修了。1996年アジア経済研究所入所。2002年から04年までインドネシア国立ガジャマダ大学アジア太平洋研究センター客員研究員。主な著作に、『2009年インドネシアの選挙-ユドヨノ再選の背景と第2期政権の展望』(アジア経済研究所、共編著)、『インドネシア総選挙と新政権-メガワティからユドヨノへ』(明石書店、共編著)、『東南アジアの比較政治学』(アジア経済研究所、共著)、『新興民主主義大国インドネシア-ユドヨノ政権の10年とジョコウィ大統領の誕生』(アジア経済研究所、編著)などがある。
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