恐れられていた事態がついに発生した。欠陥機として悪名高い航空自衛隊のF2支援戦闘機が十月、県営名古屋空港で離陸に失敗して炎上し、乗員二人が重軽傷を負ったのだ。事故機は離陸直後、機首を急激に下げて滑走路に激突しており、エンジンに何らかのトラブルが起きた可能性が指摘されている。 空自が保有するF15、F4戦闘機がエンジン二基なのに対し、F2支援戦闘機は一基だけ。空自のあるパイロットは「一基しかないエンジンが不調になれば墜落する。だからシングルエンジンは駄目なのです」とF2に対する不満を口にする。 かつてFSX(次期支援戦闘機)と呼ばれたF2をめぐっては、国内開発を目指した当時の防衛庁と日本の防衛産業に対し、米政府が米国機を購入するよう圧力を強め、最終的に日米は共同開発することで妥協した。空自は墜落の危険性が低いエンジン二基の機体を主張したが、共同開発の基礎となったのはエンジン一基のF16戦闘機だった。

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