米国の北朝鮮政策を担うボズワースの不安な前途

執筆者:鵜飼啓 2009年5月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米 朝鮮半島

[ワシントン発]北朝鮮のミサイル発射予告期間が迫っていた米東部時間の四月三日、米政府のスティーブン・ボズワース北朝鮮政策特別代表は記者会見でこう口にした。「ミサイルの立てたほこりが少し収まれば、六カ国協議で取り組んでいる(北朝鮮の非核化という)長期的な目標に立ち戻りたい」 ボズワース氏は六カ国協議の米首席代表、ヒル国務次官補(東アジア太平洋担当)の後を受ける形でオバマ政権の北朝鮮政策のとりまとめ役に就いた。オバマ大統領、クリントン国務長官に直結する新設のポストで、大きな裁量を与えられた。 際だつのは北朝鮮との対話姿勢だ。就任直後の三月上旬に中国、日本、韓国と回った際には、早速北朝鮮に訪朝の意向を伝えていた。ミサイル発射の断念が内々の条件だったため北朝鮮は受け入れを拒んだが、会見でも「有益ならいつでも平壌を訪れる準備はある」と表明した。「圧力は北朝鮮にあまり効果がない。圧力と報奨を組み合わせる必要がある」とも語る。 職業外交官出身のボズワース氏は、米朝枠組み合意に基づき北朝鮮での軽水炉建設事業を担った朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の初代事務局長や駐韓大使を歴任。二〇〇一年の引退後は、タフツ大学フレッチャー法律外交大学院長に転じた。「断続的だが、過去十五年ほど北朝鮮とのやりとりにあたってきた」と振り返る。駐韓大使時代に次席として仕えたコリアソサエティーのエバンス・リビア会長は「北朝鮮との交渉を成功させた経験を持つ稀有な外交官だ」と評する。

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