「オバマケア反対」で名を上げたクルーズ上院議員「共和党内」からの異論

執筆者:足立正彦 2013年10月29日
タグ: アメリカ
エリア: 北米

 2014会計年度(2013年10月1日-2014年9月30日)の予算案を巡る与野党対立が膠着状態に陥り、10月1日から連邦政府機関の一部が16日間閉鎖された。連邦政府機関の一部閉鎖はクリントン政権当時の1995年12月から1996年1月以来、実に17年9カ月ぶり。下院共和党は医療保険制度改革関連法(通称、オバマケア)の実施のための関連予算を削除したり、あるいは、先送りしたりすることを求める条項を2014会計年度予算案の中に盛り込んで下院本会議で賛成多数で可決したが、上院民主党指導部はそうした下院の予算案を受け入れなかったため、与野党間での合意が形成されず、連邦政府機関の一部閉鎖に陥った。今回の一連の与野党対立で、オバマケアを廃止すべきとの議論を積極的に展開した共和党の保守派政治家の中でも、最も注目を浴びた人物は9月24日に上院本会議場で21時間もオバマケア廃止を訴えるマラソン演説を行なった、上院議員在任わずか10カ月のテッド・クルーズ議員(テキサス州)である。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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