堕ちゆく世界の迷走
堕ちゆく世界の迷走(60)

中国株ショック「全球的連鎖」の衝撃波

 中国発の株安連鎖はとてつもない震度で、全世界を襲っている。株式、商品、為替の市場で起きていることは、信じられないボラティリティー(変動率)の高まりだ。にわか専門家たちは、深刻な顔つきで解説を繰り広げるが、本当のところは一体どうなっているのか。そもそも6月半ばから始まった中国株バブルの崩壊は、いかにして「全球(グローバル)化」したのか。

 かねて指摘していたように、と古証文を出す趣味はない。だが、先月の記事(「中国版『リーマン・ショック』の危険度」(2015年7月29日)で「中国の場合は人民元安の容認による輸出の拡大というカードを切ろうとしている」と指摘したように、8月11日に中国人民銀行は通貨人民元の切り下げに踏み切った。この措置は公式には、人民元相場の変動性を高め、国際通貨基金(IMF)のSDR(特別引き出し権)入りを目指すもの、と説明された。

 確かに8月11日から13日までの3日間での人民元の対ドル相場の下げ幅は合わせて4.6%にとどまる。「10%もの引き下げで輸出テコ入れを狙うものではない」。異例の記者会見で、人民銀の副総裁は慌てて釈明した。中国に自由な通貨変動を促していたのは、ほかならぬIMFなのだから、この釈明には「五分の理」があることは否めない。

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