「東芝」だけではない「原発事業」の世界的衰退

執筆者:杜耕次 2015年9月11日

 9月7日、粉飾決算問題の渦中にある東芝が4カ月遅れでようやく発表に漕ぎ着けた2015年3月期決算。同日の夕刊各紙は1面トップで「東芝、利益減額2248億円」(日本経済新聞)、「東芝、不正会計2248億円」(朝日新聞)などと過去7年間の利益水増しの総額を見出しに取っていた。だが、重電業界担当のアナリストたちの注目の的は、同社の電力・社会インフラ部門、中でも原子力発電事業での損失計上の有無だった。案の定、米テキサス州で手がけていた原発建設プロジェクトで同社は新たに410億円の減損を余儀なくされた。4年前の東京電力福島第1原発事故をきっかけにパートナーの企業が相次ぎ撤退し、事実上頓挫したにもかかわらず、「誰も諦めたわけではない」と東芝幹部が強弁を続けてきた、いわくつきの案件である。

 

「品揃え効果」の案件だったが……

 正式名称は「サウス・テキサス・プロジェクト(STP)」。米電力大手NRGエナジー(ニュージャージー州)がテキサス州ヒューストン市近郊に出力134万kWの原発2基(3号機と4号機)を増設するという計画で、2008年3月に東芝が受注。建設費は100億ドル(約8000億円、外貨の円換算は公表当時の為替レートによる、以下同)、2015~2016年の運転開始を目指していた。

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