北朝鮮「党創建70周年」(下)「粛清疲れ」?人事は「安定性」を志向か

執筆者:平井久志 2015年10月23日
エリア: アジア

 北朝鮮は10月10日の党創建70周年で、党代表者会といった重要会議だけでなく、党中央委員会総会や党政治局会議も開かなかった。昨年12月に金正日(キム・ジョンイル)総書記に対する「3年服喪」を終えた金正恩(キム・ジョンウン)政権が、党創建70周年という区切りに党の重要会議を開催し、新たなスタートを切るのではという見方もあったが、この見通しは外れた。
 今回の党創建70周年では中国との関係修復への姿勢を明確にし、対外路線では挑発的な姿勢を控えた。そうした中で、国内的には「全党に党の唯一的領導体系を一層徹底的に打ち立てなければならない」(10月4日付、金正恩第1書記論文)とし「強靱な組織性、規律性、団結力」を訴えた。党創建70周年を迎えた国内状況はどうなっているのだろうか。
 

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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