「3つの関門」を突破したクリントン前国務長官

足立正彦
執筆者:足立正彦 2015年10月30日
エリア: 北米

 10月が間もなく終わろうとしている。共和、民主両党の2016年大統領候補指名獲得争いの「幕開け」となるアイオワ州党員集会は来年2月1日に予定されているが、同党員集会まで100日を切った。民主党については、今月1カ月間はヒラリー・クリントン前国務長官が候補指名獲得に向けて大きく歩み出した点で非常に重要な月だった。逆の言い方をすれば、クリントン氏が今月対応を大きく誤っていた場合、指名獲得争いで躓きかねなかったのである。

 

一時は「受け身」に

 クリントン氏は支持率が一時は60%を上回っており、「フロントランナー」として圧倒的優位の立場にあった。ところが、国務長官在任中に私的メールアドレスを公務で使用していた問題にメディアからの報道が集中し、共和党からも厳しい批判を浴び続けた結果、今年夏以降、支持率を徐々に低下させ、各種世論調査では40%台前半にまで低下させた。2位につけるバーニー・サンダース上院議員(無所属、バーモント州選出)には依然約15ポイント差をつけてはいたが、アイオワ州、ニューハンプシャー州といった重要な「序盤州」で、サンダース氏に一時リードを奪われる各種世論調査が明らかになるなど、次第に「受け身」の選挙キャンペーンを強いられていた。支持率低下の主因となっていたメール問題についても謝罪せざるを得ず、クリントン氏が今後の対応をさらに誤っていれば、サンダース氏の選挙キャンペーンに一層の勢いを与える一方、自らの選挙キャンペーンには暗い影を投げかけることになったのは間違いない。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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