深層レポート 日本の政治
深層レポート 日本の政治(187)

「大阪ダブル選」で「野党再編」「安倍政権」はどう動く

2015年11月11日
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

 9月の安全保障関連法案の国会採決を終えて、政府・与党は落ち着きをやや取り戻した感がある。次の政局の節目となるのは11月22日投開票の大阪ダブル選挙(大阪府知事選、大阪市長選)である。いずれも「大阪維新の会」公認候補と反維新系の自民党推薦候補との一騎打ちの構図になっている。選挙結果は、大阪維新の会だけでなく、野党再編の行方を左右するとともに、野党にとどまらず安倍晋三首相の政権運営にも影響を及ぼすだろう。

「誰からも縛られない」の意味

 大手新聞各社や大阪維新が実施した世論調査の結果を総合してみると、5日告示の府知事選では大阪維新公認で現職の松井一郎知事が、自民党推薦の元府議、栗原貴子氏に対してかなり優勢に戦いを進めている。大阪維新関係者は「府知事選での1勝は揺るぎがない。問題は市長選」と話している。一方、8日に告示された市長選では、世論調査で維新系と反維新系が接戦を演じている。
 大阪維新が1勝1敗に終われば、大阪都構想復活の機運はしぼんでいくだろうし、2勝すれば都構想はもちろんのこと、来年夏の参院選に向けて大阪維新は党分裂の後遺症を抜け出し、態勢を立て直していくことだろう。
 また、選挙結果は野党全体の動きにも影響する。これまで維新を率いてきた橋下徹・大阪市長は市長としての任期が満了する12月18日で政界を引退すると公言してきたが、その半面、引退後について次のように語ってきた。
「誰からも縛られない。自由にする。ほっといて。僕の人生だ」
 解釈の仕方にもよるが、政界復帰の可能性がなくはないのだ。橋下氏の政界との関係については、選挙に出馬する可能性だけでなく、出馬しなくとも大阪維新の法律顧問や政策顧問を務めるという場合もある。いずれにしても、大阪維新が2勝すれば、橋下氏が国政とかかわりを深める可能性が大きくなる。
橋下氏の去就は野党再編にも関係がある。知名度と人気のある橋下氏の存在は政党の集票力につながるからだ。
 このため、大阪ダブル選挙で維新が2勝した場合、たとえば、維新の党の分裂劇ではどっちつかずの中間派として無所属議員となっている議員たちが、松野頼久代表が率いる残留組ではなく、橋下氏を頼って大阪組との連携に傾く可能性が大きくなる。中間派の衆院議員は小選挙区で苦戦している議員が多く、衆院比例代表での復活当選の可能性が計算できる政党に所属する方が得策だからだ。

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