パリ同時テロ:「シリア」で攻勢に出る「プーチン空爆戦略」の懸案

11月16日、クレムリンで招集した軍・治安当局トップから、ロシア機墜落の調査結果について報告を受けるプーチン大統領(中央)(C)AFP=時事

 パリ同時テロ事件を受けて、ロシアはシナイ半島でのロシア機墜落を「『イスラム国』(IS)によるテロ」と断定し、シリア空爆作戦を増強、戦略爆撃機や潜水艦発射巡航ミサイルを投入して戦線を拡大した。仏露両国が共同軍事作戦に着手するなど、IS掃討の国際的枠組みが変わりつつある。ロシアは地上軍派遣の構えも見せており、IS掃討作戦で主導権を握る思惑だ。欧米との連携作戦を通じて、ウクライナ危機後の欧米の経済制裁や包囲網の強行突破を狙っているのは間違いない。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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