「パリ同時テロ」が米大統領選に与える「衝撃」

足立正彦
執筆者:足立正彦 2015年11月24日

 11月13日にフランス・パリで発生した同時テロ事件は、国際社会に大きな衝撃をもたらしている。2カ月余り先の2016年2月1日から共和、民主両党の大統領候補指名獲得争いが本格的に展開される米国もその例外ではなく、パリ同時テロ事件は米国内で各方面に少なからぬ影響を及ぼしている。

 オバマ大統領はパリ同時テロ事件が発生する前日、過激派組織「イスラム国(IS)」は封じ込められつつあるとし、自らの政権の対IS掃討戦略は順調に展開されているとの見解を示したばかりであった。ところが、犠牲者数が130人にも達する悲惨なテロ事件が米国の同盟国であるフランスの首都中心部で発生したことで、野党・共和党からオバマ政権の対IS掃討作戦は機能していないとの批判が噴出。同時に、オバマ政権のシリア難民受け入れ方針にも猛反発する動きが広がっている。

 

シリア難民受け入れを巡り対立

 2011年1月から約5年間続いているシリア内戦は益々情勢が悪化し、ISの勢力拡大も加わって、内戦勃発前のシリアの人口約2200万人のうち約20万人が犠牲となり、約400万人が難民となっている。そうしたシリア難民は近隣国のトルコ、ヨルダン、レバノンだけではなく、最近は欧州各国にも大挙押し寄せており、シリア難民受け入れ問題は国際的にも深刻な問題となっている。

執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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