深層レポート 日本の政治
深層レポート 日本の政治(188)

最後は「景気次第」の「衆参同日選」

2015年12月16日
エリア: 日本

 安倍晋三首相は12月5日、東日本大震災被災地視察のために訪れた岩手県一関市で、噂になっていた来夏のダブル選挙(衆参同日選挙)を実施する可能性について、「同日選挙について……、衆議院選挙についてはですね。全く考えてはおりません」と否定した。
 だが、この発言を額面通りに受け取る政界関係者はほとんどいない。衆院解散の時期、つまり衆院選の時期については、首相はウソを言ってもいい――というのが政界にいる人間ならだれもが知っている常識である。

「1月4日召集」の意味

 同日選があり得る根拠のひとつとされているのは、安倍首相が来年の通常国会の召集日を1月4日にする意向を固めたことである。
 1月4日というのは、通常国会の召集日としては異例である。国会法第2条は通常国会を毎年1月に召集するよう規定している。ただ、年末年始の政治家の地元回りの都合などもあって、たいてい召集日は1月下旬になる。
 過去10年をさかのぼっても、8回は下旬召集だ。2009年に麻生太郎内閣は召集日を1月5日としたが、これはリーマンショックなどによる日本の景気後退に対応するため、総額2兆円の定額給付金を盛り込んだ第2次補正予算の成立を急がなければならないという特殊事情があった。
 そもそも1月4日と言えば、歴代首相が三重県の伊勢神宮を参拝する日である。過去10年の記録をみると、2006年の小泉純一郎首相以降、2013年の安倍晋三首相までは、すべて1月4日に伊勢神宮を訪れている。その後、2014年と15年に安倍首相はそれぞれ1月6日と5日に参拝しているが、いずれにしても4日に国会が開会してしまってからの参拝は東京と伊勢の往復時間を考えればかなりの強行軍となる。つまり、1月4日は通常国会の召集日として、かなり都合の悪い日なのだ。

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