「トランプ」「クルーズ」優勢で米共和党主流派の「困惑」と「焦燥」

足立正彦
執筆者:足立正彦 2016年1月20日
カテゴリ: 国際 政治 社会
エリア: 北米

 2016年大統領候補指名獲得争いの「幕開け」となる2月1日のアイオワ州党員集会まで、早いものでわずか2週間足らずとなった。共和党大統領候補同士によるテレビ討論会も、1月14日夜にサウスカロライナ州で行われた。そこで注目されたのは、現在、共和党の指名獲得争いをトップで独走している実業家兼テレビパーソナリティのドナルド・トランプ氏と、党内保守派の支持を受けてアイオワ州での世論調査でトランプ氏と接戦を繰り広げているテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)との激しい応酬であった。

 

トランプ優勢の世論調査

「RealClear Politics」の平均世論調査では、現在、アイオワ州でトランプ、クルーズ両氏は激しいトップ争いを演じている。1月17日時点での平均はトランプ氏が27.8%、クルーズ氏が26.7%と0.9ポイント差であり、これは世論調査の誤差の範囲内。昨年秋に元神経外科医のベン・カーソン氏の支持率急落の「受け皿」としてアイオワ州での支持を急伸させていたクルーズ氏の支持率が、トランプ氏に抜かれる展開となっている。

 こうした背景には、クルーズ氏の支持率がアイオワ州で昨年晩秋以降伸長していたため、トランプ陣営は、クルーズ氏がキューバ系米国人の父親と米国人の母親との間にカナダのアルバータ州で生まれた点で大統領候補として問題が生じる可能性があると指摘し、クルーズ攻撃を強めてきたことが影響していると考えられる。前述したテレビ討論会でも、トランプ氏はクルーズ氏の出生地に焦点を当てた一方、クルーズ氏は、米軍最高司令官である米国大統領としての資質がトランプ氏にあるかが問われるべきだと反論していた。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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