堕ちゆく世界の迷走 (65)

世界の市場を襲った中国発「異常寒波」の正体

〈2016年を迎えるいま、内外でブラックスワンの不気味な羽ばたきが聞こえる。2012年末の政権復帰から丸3年を経過した安倍晋三首相は「桃栗3年」の成果を誇った。が、今は申年の世界に待ち受けているリスクにこそ、身構えるときではないのか。〉

 前回はこんな書き出しだった。実際のマーケットで今起きているのは、この記述を地で行く天下大乱の光景だ。爆弾はまさに中東と中国で炸裂し、全世界へと広がった。サウジアラビアによる政治犯の大量処刑、サウジとイランの外交関係断絶、水爆と称する北朝鮮の核実験、中国株の全面取引停止、人民元の下落、世界的な株式相場と原油など商品相場の底抜け。

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