深層レポート 日本の政治
深層レポート 日本の政治(190)

「甘利」「宮崎」スキャンダル発覚でも「反転攻勢」が遠い野党の内情

2016年2月16日
カテゴリ: 政治
エリア: 日本
2月12日、女性タレントとの不倫を週刊誌に報じられたことについての記者会見で、議員辞職を表明した自民党の宮崎謙介衆院議員 (C)時事

 甘利明経済再生担当相の辞任や宮崎謙介衆院議員の議員辞職など、ここのところ安倍内閣と自民党に不祥事が相次いでいる。また、島尻安伊子沖縄・北方担当相や丸川珠代環境相らの失言もあり、安倍政権はお世辞にも波静かとは言えない状況だ。
 ところが、大手マスメディアの世論調査を見ると、安倍内閣支持率はむしろ上昇気味で、逆に野党の政党支持率はほとんど上がっていない。野党共闘の構築は暗礁に乗り上げつつあり、国会の論戦も、野党側に迫力がない。不祥事に加えて、不安定な日本経済、選挙制度改革など、政府・自民党に対する攻撃材料に事欠かない局面が続いているにもかかわらず、野党は有利な環境をまったく生かし切れていない。

「秘めた覚悟」はあったか

 民主党は1月30日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで定期党大会を開催した。大会には民主党との合流が取りざたされている維新の党の松野頼久代表も来賓として招かれていた。
 その松野氏も耳を傾ける中、民主党の岡田克也代表はあいさつの中で次のように発言した。
「昨年12月に維新の党と民主党の間で4項目の合意をした。合意事項の中にも『結集も視野に』と確認している。新党結成も選択肢として排除されていない。いろんな困難もある。はたして乗り越えられるかどうか、胸襟を開いてしっかり話をしていきたい」
 これを受けて、松野氏は記者団に対して、「覚悟が感じられた良いあいさつだった」と、岡田氏の発言を前向きにとらえた。たしかに岡田氏の「新党結成も選択肢」という発言は、民主党との新党を目指す維新の党にとっては心強く聞こえただろう。だが、それ以降の発言中に「困難」「乗り越えられるか」など否定的な言葉もちりばめられており、あいまいな印象も残る。
 岡田氏のあいさつを好意的に解釈した松野氏に対して、記者団は矢継ぎ早に質問を繰り出した。
 記者「岡田代表のあいさつの中には、合流に関する踏み込んだ発言はなかったと思うが」
 松野氏「非常に秘めた覚悟が伝わってきた」
 記者「党内では、岡田氏が踏み込んだ発言をしなければ民主党との合流を白紙に戻すという意見もあった。今日の岡田氏のあいさつの内容で、党内を(民主党と新党を結成するという方向で)まとめられるのか」
 松野氏「十分じゃないですか。『合流も視野に』と発言されているので」
 記者「秘めた覚悟をどこで感じたのか」
 松野氏「今の発言がそうではないか」
 記者団と松野氏のやりとりはまるで噛み合っていない。松野氏は岡田氏の発言をなんとか前向きにとらえようと懸命になっているのに対して、記者団の受け止め方は違った。新党結成に否定的な民主党内の雰囲気を肌で感じているので、岡田氏のあいさつを聞いても、肯定的な発言だと、記者団には感じられなかったのだ。

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