クリントン氏の「低所得白人有権者」対策で急浮上する「副大統領候補」

執筆者:足立正彦 2016年4月6日
エリア: 北米 アジア

 民主党の大統領候補選出プロセスは、「幕開け」となった2月1日のアイオワ州党員集会から2カ月以上が経過し、3カ月目に入った。ヒラリー・クリントン前国務長官と争うバーニー・サンダース上院議員(無所属、バーモント州選出)は、4月5日に行われたウィスコンシン州予備選挙でもクリントン氏に勝利し、今後も指名獲得争いを継続していく意向を示すとともに、自分こそが本選挙で勝利する候補であるとの主張を強めている。

 

長期化が不可避の民主党指名獲得争い

 民主党の指名獲得争いの場合、比較的短期間で決着するであろうとの見方が専門家らの間では圧倒的だった。ところが、そうした見方は大きく外れ、長期戦になることが必至の情勢である。サンダース氏は大統領予備選挙プロセスが始まる前までは泡沫候補と見做されていたが、民主党の強固な組織や夫妻が持つネットワークに支えられたクリントン氏に対して大善戦している。逆の見方をすれば、クリントン氏はサンダース氏に対して相当苦戦しており、党内の指名獲得争いで自らの脆弱性を露呈してしまっているということができる。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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