フィリピン大統領選「速報」:「鉄拳」と「暴言」のドゥテルテ氏が勝利へ

執筆者:野嶋剛 2016年5月10日
エリア: 北米 アジア

 フィリピン大統領選の投票が5月9日行われ、日本時間10日朝の非公式の開票速報では、90%の開票率でダバオ市長のロドリゴ・ドゥテルテ氏がほかの候補者を約600万票以上引き離しており、当選が確実となった。ドゥテルテ氏は、6月末に任期満了を迎えるベニグノ・アキノ大統領に代わって、フィリピン大統領に就任する。一方、別々に行われた副大統領選では、マルコス元大統領の長男であるフェルディナンド・マルコス上院議員とレニ・ロブレド下院議員の大接戦が続いている。強権的手法も辞さない「鉄拳」の政治を掲げるドゥテルテ氏の登場で、マルコスを倒した1986年のピープルパワー革命からちょうど30年という節目に、フィリピン政治は今後の展開を予測しにくい難局面に入ることになる。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
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