饗宴外交の舞台裏 (217)

「ヘルシー魚介和食」にこだわったカナダ首相夫妻の「新感覚」

執筆者:西川恵 2016年6月17日
エリア: 北米 アジア

 その後の伊勢志摩サミット(5月26、27日)への参加の陰に隠れて目立たなかったが、サミット開催に先立つ5月23日から25日までの3日間、カナダのジャスティン・トルドー首相がソフィー夫人と日本を公式訪問した。44歳と若い同首相は、味覚の好みや仕事の仕方でも新しい世代の政治家であることを見せつけた。

 

初サミット前の初公式訪日

 トルドー首相は父親が元首相のピエール・トルドー氏。2008年に36歳で連邦下院議員に当選して政界入りし、2013年に中道左派・自由党の党首に。昨年10月の総選挙で保守党を破って10年ぶりに政権を奪還し、首相に就任した。新内閣の組閣では、閣僚の男女の人数を同数として評判を呼んだ。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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