サウジの圧力に屈した「潘基文」国連事務総長

鈴木一人
執筆者:鈴木一人 2016年7月11日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中東
6月9日、「子どもと武力紛争」年次報告などについて記者会見する国連の潘基文事務総長=アメリカ・ニューヨークの国連本部[国際連合提供](C)時事

 国連は加盟国によって成り立つ機関である。その予算はほぼすべて加盟国からの拠出金によって成り立っている。国連予算は加盟国のGDPの大きさに比例して義務的に拠出することになっているが、難民問題や環境問題などについて新たなプロジェクトを立ち上げる時は、加盟国からの自発的拠出金に頼らなくてはならない。財政的な面から見る限り、国連は加盟国に対して強い立場をとることはできない。
 他方、国連憲章第100条第1項では国連事務総長とその職員(事務局)の独立性、国際性、中立性が定められている。

1.事務総長及び職員は、その任務の遂行に当って、いかなる政府からも又はこの機構外のいかなる他の当局からも指示を求め、又は受けてはならない。事務総長及び職員は、この機構に対してのみ責任を負う国際的職員としての地位を損ずる虞のあるいかなる行動も慎まなければならない。

 また第2項では加盟国は国連事務局に対して圧力をかけてはならないことが定められている。

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執筆者プロフィール
鈴木一人
鈴木一人 すずき・かずと 北海道大学大学院法学研究科教授。1970年生まれ。1995年立命館大学修士課程修了、2000年英国サセックス大学院博士課程修了。筑波大学助教授を経て、2008年より現職。2013年12月から2015年7月まで国連安保理イラン制裁専門家パネルメンバーとして勤務。著書にPolicy Logics and Institutions of European Space Collaboration (Ashgate)、『宇宙開発と国際政治』(岩波書店、2012年サントリー学芸賞)、『EUの規制力』(日本経済評論社、共編)、『技術・環境・エネルギーの連動リスク』(岩波書店、編者)などがある。
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