「訪中30回超」タイ「シリントーン王女」を厚遇する中国の思惑

樋泉克夫
執筆者:樋泉克夫 2016年10月19日
逝去されたプミポン国王を囲むロイヤルファミリー。右端がシリントーン王女で、その左隣が新国王となるワチュラロンコン皇太子(C)EPA=時事

 

 10月13日の国王の死を受け、現在のタイにおける国権の最高機関である国家平和秩序評議会(NCPO)事務局長で陸軍司令官のチャルーンチャイ大将は14日、内閣に指揮センターを設置し、全土の安全保護体制を最高レベルに引き上げたことを表明した。同日夜、ウィサヌ副首相(法務担当)はワチュラロンコン皇太子(1952年~)の即位までの期間、枢密院議長として国王を支えてきたプレム大将(1920年~)が摂政を務めることを明らかにしている。摂政と枢密院議長の兼任は不可とのことだから、同議長職を離れる。高齢の同大将が将来、摂政を離れた後に王室関連の公職に復帰する可能性は極めて低いと考えられる。敢えて同大将の現在の心情を推し量るなら、“最後のご奉公”といったところではなかろうか。

 皇太子は国民と悲しみを共にしたいという考えから即位を先に延ばすとの意向と伝えられるが、15日にウィサヌ副首相が明らかにしたところでは、国王火葬についてプラユット首相に対し、雨期の問題などを挙げ、「1年後にする必要があるだろう」と語ったとのことだ。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫
樋泉克夫 愛知大学教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年より現職。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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