オバマ政権のレガシー「対キューバ政策」の進展

執筆者:足立正彦 2016年10月30日
エリア: 北米 中南米

 米国の有権者は11月8日に次期大統領の選択を迫られている。だが、その一方で、2期8年間、大統領職にあったオバマ大統領は約80日後にはホワイトハウスを去ることになる。ワシントンは文字どおり政権移行の季節を迎えようとしている。
 オバマ政権の2期8年を振り返ると、オバマ大統領が大統領在職中に成し遂げることができたこと、また、成し遂げられなかったことがそれぞれある。歴代大統領と全く対照的であった対外政策の1つに対キューバ政策がある。2014年中間選挙で与党・民主党は惨敗し、共和党が上院でも多数党の立場を8年ぶりに奪還した翌月の同年12月、オバマ大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長はそれぞれ国際社会を驚かす発表を行った。米・キューバ両国の国交正常化交渉の開始である。バチカンが両国を仲介するかたちで1年半の秘密交渉が重ねられた結果、国交正常化交渉の開始が発表された。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top