「朴大統領弾劾」で計算が狂った「潘基文」の隘路

鈴木一人
執筆者:鈴木一人 2016年12月14日
エリア: 朝鮮半島

 韓国国会で自らの与党であるセヌリ党の「親朴派」と言われる人たちの造反もあり、弾劾決議が可決された朴槿恵(パク・クネ)大統領。連日大規模なデモが続き、弾劾決議が採択された後も未だに即時退陣要求のデモが継続されているほど、韓国国民の怒りは強い。こうした世論と国民の「主権者意識」に突き動かされる形で弾劾プロセスが進み、憲法裁判所での審議もそうした圧力のもとで展開されることになるであろう。
 こうした動きを息を潜めて見守っている人物がニューヨークにいる。それは残りの任期があと1カ月を切った潘基文(パン・ギムン)国連事務総長である。現在はまだ国連事務総長の職にあり、韓国の国内政治のプロセスについてコメントすることもままならない状況であるが、任期が終わればすぐにでも韓国に戻り、大統領選に出馬する準備を進めると見られている。しかし、その潘基文氏の戦略は、今回の朴大統領のスキャンダルの発覚から弾劾決議の採択に至ることで大きく狂い始めている。

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執筆者プロフィール
鈴木一人 すずき・かずと 北海道大学大学院法学研究科教授。1970年生まれ。1995年立命館大学修士課程修了、2000年英国サセックス大学院博士課程修了。筑波大学助教授を経て、2008年より現職。2013年12月から2015年7月まで国連安保理イラン制裁専門家パネルメンバーとして勤務。著書にPolicy Logics and Institutions of European Space Collaboration (Ashgate)、『宇宙開発と国際政治』(岩波書店、2012年サントリー学芸賞)、『EUの規制力』(日本経済評論社、共編)、『技術・環境・エネルギーの連動リスク』(岩波書店、編者)などがある。
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