2017北朝鮮「新年の辞」(中)異例の「自己批判」が意味するもの

平井久志
執筆者:平井久志 2017年1月12日
カテゴリ: 国際 政治
エリア: 朝鮮半島
1月1日、「新年の辞」を演説する金正恩党委員長。自己批判の言葉も飛び出した (c)AFP=時事

 金正恩(キム・ジョンウン)党委員長の今年の「新年の辞」で特徴的だったのは、韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権への非難を前面に押し出し、韓国への政治介入の姿勢を明確にしたことだ。一方、次期トランプ政権に平和協定の締結などを呼びかける可能性があるのではと思ったが、そういう具体的な政策提案はなかった。これは、北朝鮮が当面は対南攻勢を優先させえる考えで、トランプ政権への対応はその政策を見極めた後にするという「先南後米」路線ではないかと思われる。従来の北朝鮮の基本姿勢は「封南通米」といわれ、韓国側の動きを封じ、米国との対話を優先する姿勢だが、昨年10月から韓国で生じている反朴槿恵政権の動きを北朝鮮も極めて重視していることの表れとみられる。

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執筆者プロフィール
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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