外国人労働者「100万人突破」で日本が直面する「移民問題」

磯山友幸
国家戦略特区諮問会議では外国人労働者の問題も議論されているが……C)時事

 

 外国人労働者の数がついに100万人を突破した。厚生労働省が1月27日に発表した「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」によると、2016年10月末時点の外国人労働者数は108万3769人と、1年前に比べて19.4%増加、4年連続で過去最多を更新した。

 この調査は、年に1回、すべての事業主に、外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間などを確認してハローワークに届け出ることを義務付けているものをまとめたものだが、実は届け出していない事業者も多く、実際にはこれをはるかに上回る外国人が働いているとみられる。しかし、届け出に基づく公式な統計でも100万人を突破したことで、企業の人手不足が外国人労働者によって補われている実態が鮮明になった。

 

ベトナム人労働者が激増

 外国人労働者の増加ピッチが上がっている。2012年は前年比マイナスだったが、13年には5.1%増加、その後14年9.8%増→15年15.3%増→16年19.4%増と、増加率が年々大きくなっている。2012年末に安倍晋三内閣が発足し、13年からアベノミクスが始まったのと時を同じくして、外国人労働者が急増している。もちろん、アベノミクスによって景気が底入れし、人手不足が深刻化したことも背景にある。何せ雇用者数は2013年1月以降、対前年同月比で毎月増加を続けている。それにもかかわらず、有効求人倍率は上昇を続け、2016年11月の有効求人倍率は1.41倍と、バブル期の1991年7月以来の高水準になっている。

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執筆者プロフィール
磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト。著書に『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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