「始動1カ月」で改めて明らかになった「トランプ政権」の不透明感

共和党全国委員会時代からのコンビであるプリーバス首席補佐官(右)とスパイサー報道官も更迭か(C)AFP=時事

 

 トランプ政権が1月20日に始動してから1カ月が経過した。連邦議会議事堂での「米国第一主義(America First)」を前面に押し出した就任演説がかなり以前に行われたような印象を受けるほど、この間には様々な出来事が起った。

 

大幅に遅れる「閣僚」の指名承認

 人事面では、歴代政権と比較して閣僚やホワイトハウス高官をはじめとする人事が大幅に遅れている点を指摘する必要がある。すでに1カ月経過したにもかかわらず、15の閣僚ポストのうち、2月22日時点で米議会上院により指名が正式承認されたのは9名であり、内務長官、農務長官、商務長官、労働長官、住宅都市開発長官、エネルギー長官の6ポストが依然未承認のままである。政権始動から1カ月で3分の1強がいまだに未承認という状況は極めて異例である。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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