「金正男暗殺事件」で新たな「中朝関係」が始まる?

執筆者:樋泉克夫 2017年2月24日
エリア: アジア
互いに母親が正妻ではなかったため「嫡男」ではない分、本来ならば「長男」が正当な後継者だったはずだが……(C)AFP=時事

 

 マレーシアのクアラルンプール国際空港における金正男暗殺事件は、確かに世界を震撼させた。時間の経過と共に、容疑者が逮捕され、多くの証拠が集められ、新たな容疑者が捜査線上に浮かびあがり、新たなる「事実」が報じられるようになる。だが、その「事実」がアメリカのトランプ大統領風に表現するなら「フェイク・ニュース」なのか「もう1つの事実」なのかは不明だ。多くの専門家が事件の経緯や背景を解説しているが、やはり隔靴掻痒の感は否めない。そこでいよいよ真相は薮の中ということになる。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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