堕ちゆく世界の迷走
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金融市場が注目しだした「Frexit」の可能性
3月15日の到来を世界中が固唾をのんで待ち受けている。オランダの総選挙で反移民、反欧州連合(EU)を掲げる右翼の自由党は第1党となる勢い。4月と5月に投票を迎えるフランスの大統領選挙で、右翼の国民戦線(FN)のルペン候補への追い風になりかねない――。インテリを自認する人なら、こう言ってポピュリズム(大衆迎合主義)に眉を顰めるのが無難というものだろう。
だがオランダ議会のなかで、欧州単一通貨ユーロからの離脱が真剣に議論されだしたとしたら、どうだろう。オランダ議会は、3月の総選挙後に国の最高諮問機関である枢密院で、同国とユーロの関係を総合的に議論すると決めた。この議論はユーロ残留と並んで、ユーロからの脱退も俎上に載せる。枢密院と聞くと明治憲法時代の日本みたいだが、その仕組みは以下のような具合だ(在日オランダ大使館による)。
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