東芝が米原発子会社ウエスチングハウス(WH)に絡む巨額損失による債務超過転落を発表したのが2月14日。その後「東芝危機」を見出しにうたった記事や映像報道がメディアに噴出している。2年前の粉飾決算に続く「再度の危機」と言ったり、2000年以降の千億円単位の赤字転落を数えて「東芝4度目の危機」という連載が始まったり、さらには30年前の「東芝ココム事件」になぞらえ「当時と今は似たところがある」といった解説記事まであった。付け焼刃でピンボケの報道も少なくないが、評価は読者に託すとして、今回の「東芝危機」のマグニチュードに見合う前例を探すなら、敗戦後の「東芝大争議」しかない。
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