オバマ前政権の内政面における代表的な「レガシー(業績)」の1つは、民主党が大統領、上院、下院のすべてを支配していた2010年3月に成立させることができた医療保険制度改革法、通称「オバマケア(Obamacare)」である。米国における医療保険制度の導入を図るための取り組みは、オバマ政権誕生の1世紀以上昔のセオドア・ルーズベルト政権にまで遡る。その後、ハリー・トルーマン、リンドン・ジョンソン、ビル・クリントンなどの歴代の大統領も何とか導入を図ろうとしたが、実現できずに挫折してきた。だが、オバマ前大統領は「オバマケア」を成立させ、2014年1月から実際に導入されたが、新たに約2000万人が医療保険制度に加わったことで無保険者の割合は低下した一方、医療保険料の大幅な高騰も招いている。
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